2004年に発表したとび箱スツールの新バージョンです。できなかった事をできるように挑戦するのは、単に技術的なことだけでなくてデザイン的な工夫も必要です。今回のバージョンアップで、ベンチとの相性も良くなりました。前回同様、足掛けが前後で高さが違うのは大人用と子ども用。もちろん、脚カット対応もしますので、使い勝手にあわせて好みの高さが選べます。
サイズ w 375 d 450(座面はd 280) h 780 
素材  アッシュ ウォールナット
仕様  オイルフィニッシュ
「テーブルの端材があるんやけど、何かに使えんかな?」と、見せてもらったものはなんと宝の山。他では見ることのできない、決して端材ではない分厚くて太い無垢の木材がそこにはありました。小物から始まった開発はいつの間にかイスやソファまで発展し、手のひらサイズから空間サイズまで、その展開はとどまるところを知りません。木村健治さんとの掛け合いはまるでまるでジャズのセッション。予測不能のワークショップを続けています。

http://www.t-kiki.co.jp

 

2004年発表のとびばこスツールは、宮崎椅子製作所に製作してもらっていました。その頃のkikiはまだこのような細身で繊細な加工が得意でなく、特に脚の長いカウンタースツールは椅子の開発と同じぐらいの構造への安心感が必要なので外注に頼っていたのです。

それから、8年。とび箱ベンチが登場しました。
これは、kikiの工場で、kikiの知恵で完成しています。(詳しくはとび箱ベンチの四方山話&股旅放談を参照)
それなら、スツールもできるかな。。。
という軽い気持ちで提案してみようと思いましたが、完成しているデザインを無理に変更する必要も無いし、自分でも変更の意味がうまくつかめず、きっかけの無いままそこから2年経過。

kikiではなんだか思考がゆっくり流れるのですよ(笑)

じつはこの2年間、提案ボツが連続した2年でした。股旅年表をみると、 2012年後半から2013年にかけて、新作がありません。涙。
そんなとき、ワークショップ仲間で旅をする機会がありました。
1泊の温泉旅行ですが、帰りの新幹線のなかで「次のワークショップどうしようか?」的な話題になりました。そのとき、ふと勢いで「とび箱スツールもkikiで作れる方法でリニューアルしませんか?」と提案。2年間のボツ生活で新作スランプに陥っていたせいもあるかもしれませんが、勢いでなんとか!という感じのはなしです。
意外と健治さんが話に乗ってきたので、新幹線の中でスケッチ。
ベンチと同じ構造で、板座だけにして、脚のせのデザインももう少し変えて、ああしてこうして…。

「うん、それやろう!」
と、健治さんの一言がうれしかった。

ここからは早い。
まずは図面。急ぎますよ。熱が冷めないうちにね。
そして試作。これも勢いがあります。なんたって熱が冷めないうちに。
完成までは猛スピード。

デザインを変更するきっかけは様々ですが、売れ行きやデザインが古くなったという理由が多い中、こうして工場の変化や品揃えにあわせて緩やかに変えてゆくことは本当に意味があります。今までのとび箱スツールも好きなデザインですが、今回のリニューアルでさらに良い道具に成長したと思います。

販売店の方には少しご迷惑をおかけしますが、これからもバージョンアップを楽しんでいきたいと思います。

テーブル工房kikiの商品開発はいつも、
おやびんのお題に よってワークショップが行われます。
ベンチ、踏み台、スツール、テーブルなどその時々で様々ですが、
今回は既存する商品をリ・デザインするというのは初めての経験でした。
とび箱スツールはkikiのド定番の古株です。
まさかリニューアル第一弾が、この重鎮に手が掛かるとは
思ってもみませんでしたが、
自社の力だけで作り上げることが出来る事には
喜びを感じていました。

常日頃、ワークショップではテンポを意識してます。
図面通りに試作しても、村澤さんは現場で作るという意識が強いので
ワークショップが始まって間もなく、バラして修正、
すぐさま組み直し座って眺める。そしてどんな些細な事でも気になれば、 とりあえず手を加えてみる。

その瞬間瞬間での何気ないやり取りが、微妙なニュアンスとして
集まって具現化していきます。
なのでテンポ良く、かたちにしていかなければなりません。

それでも今回のとび箱スツールの完成は早かった。
元あるかたちと言えど、
ここまでテンポの良さは今までに無いものでした。
その中で最大のポイントとなるのは足置きの収まり具合でした。
従来の式ではどうしても加工上、困難な部分があり
諦めざる負えなかったのですが、そこは聖人君子、村澤さん。
その工場の得意不得意を見極めたデザインは流石です。
それぞれのパーツに微妙な修正を加えて、
今、kikiで出来ることを最大限に引き出したニューとび箱スツール。
どうぞ宜しくお願い致します。